小水力発電の取組

近年、CO問題を始めとする地球環境の悪化に対する危惧や、原発事故後の発電需給の逼迫などから、自然エネルギーの活用に対する期待が高まっています。また、より安全で持続可能な環境に優しい再生可能エネルギーによる自立・分散型のエネルギー受給が社会的に求められています。このような状況の中で、水量が豊富で急峻な河川の多い岡山県阿新地域の特性を活かした小水力発電の実用化に取り組みました。

工事が容易に行える河川、また、メンテナンス費用の軽減を図るため、低圧系統連系が可能な50kW以下の小水力発電を対象としました。そして、50kW以下の規模でも採算性を確保するために、発電に必要な水量及び落差が十分ある適地を選定し、かつ発電設備については発電機やインバータなど最新機器を使うことで、高機能・高効率な小水力発電所としました。

この三坂川小水力発電所は、高梁川水系西川支川三坂川(砂防指定地)の岡山県西北端、新見市神郷釜村地内に位置します。既存の三坂川砂防堰堤(流域面積 8.5㎞)より取水(0.16m/sec)し、高低差15mをもって、最大連続定格15kWを発電するものです。

三坂川小水力発電所の諸元

所在地新見市神郷 釜村858-1番地先
利用既存施設三坂川砂防堰堤
集水面積8.5 k㎡
発電機取水量0.16㎥/sec
有効落差15.0m
沈砂箱ステンレス製 2400×1200×1200
落葉取機ステンレス製コンベア
取水管路延長91.6m
取水管材料ステンレス製 Φ300
発電量最大連続定格 15kW最大出力 16.9kW
水車横軸プロペラ水車
発電機三相同期発電機200V 22kW 1,500rpm 
発電用インバータ三相ベクトル制御インバータ200V 22kW 
系統連系用コンバータ三相正弦波PWMコンバータ200V 15kW 連続定格
制御水量-発電機回転数-トルク連続自動制御
三坂川取水堰

堰堤からの取水

堰堤から発電所への導水管

発電した水を河川に戻す

発電所の制御盤(上)と発電機(下)